【舞台】犬と串 case.17「ピクチャー・オブ・レジスタンス」感想
毎週毎週忙しい週末を送っております、江戸川櫻です。
昨日は期末試験最終日、早く帰れるというわけで劇団「犬と串」さんの舞台「ピクチャー・オブ・レジスタンス」を観劇しました。
まだ公演があるので、ネタバレはしません。
今回はスタミュミュで卯川くんを演じていた星元裕月くんが出演する、というのが観劇の一番の理由です。
場所は恵比寿・エコー劇場というところで、客席は100席~くらいのいわゆる「小劇場」の類いです。
その分、演者さんとの距離が近いという唯一無二のメリットも。
今回は舞台文ストのときに入っていたチラシがきっかけでチケットを取ったので、本当にギリギリの一般発売です。
そのため同行した母とは連番ではありませんでしたが、その分3列目で見ることができました。
公式サイトをご覧戴くと早いので、一応リンクを。【公演ページ(クリックで飛びます)】
内容としては、流行り廃りが重視される好景気に沸いた、いわゆるバブリーな近未来の世界で社会の流れに抗う芸術家(画家)たちの物語。
私たちの世代はあまり派手な時代を知らないので、ついていけるかどうか、といったところでしたが全く問題ありません。
とにかく最初から引き込む力がすごい。
距離はもちろんですが、マイク無しの舞台はやはり届くものが違いました。
演者さんたちの表情、声のトーン、限られた設備でのセット転換や照明効果……。
何より、画家のキャラクターが出てくるのでその画家が描いたという設定の立派な絵画たち。
これは劇団の主演の方が制作した、ということですが、それもまた完成度が素晴らしい。
小道具が一つ一つ手作りだったり、台本にはないであろうアドリブやギャグ、ボケやツッコミ。
どれをとっても「今そこで起きている」本当のナマモノだな、と思いました。
舞台は鮮度が命、だという考えですが、その点をパーフェクトに満たしている作品です。
また、演じている俳優さんたちも芸術家であるということを踏まえると、画家をテーマにしている物語でもメタ的な発言に聞こえたりと興味深かったです。
特に推している、というか今回見に行く決定打になった星元くんはアンドロイドの役を演じていましたが、やはり美しい…。
彼は見られること、見せることに長けた素晴らしい役者さんだと思います。
それに加えて、どんな姿にでも化けられるしなやかさもあり、できればいつかちょっと怖いような役(新宿スワンとかああいう系)も見てみたいな、と思います。
「好きなように表現していい」「自分が本当にやりたいことをやろう」といった力強いメッセージが根幹にありながら、キャラクターたちが思い悩んだ末の結論だという展開で熱血すぎず、あくまでバブル的な浮ついた世界だ、ということが音楽や照明でしっかり伝わってくることでカバーされていました。
光によるシーンチェンジが目まぐるしく、カメラワークのような切り替え方が秀逸でした。
今までは大きな劇場の大掛かりなセットや最新の技術をフル活用した作品を見ることが多く、こういった演劇らしい演劇を見る機会がなかったので良い勉強になりました。
私が演者になろう、とかそういったつもりは特にないですが、それでも「みせること」「楽しませること」という部分は学ぶことが多いです。
小さな箱であるということを存分に活かした、意志のある人たちがつくりあげる、あらゆる人のための舞台でした。
とても楽しく、面白く、そして何よりものすごい熱量を感じた作品に出会えました。
星元くんにも感謝です。
チラシもね。
そして母にも。
これからもたくさん見るぞ。ということで、次も星元くんを拝めることになりました!!!
スタミュミュのteam柊単独レビュー公演、行ってきます。
ではまた!