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【感想】ミュージカル『刀剣乱舞』にっかり青江 単騎出陣2022・東京【9/14水・昼】

ついに東京にやってきた「にっかり青江単騎出陣」、観劇しました。

ネタバレになることもありますので、この先はその旨ご了承の上ご覧下さい。

 

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感想

ひっっさびさにぶっ刺さりました。

にっかり青江という刀剣男士もあらやん(荒木宏文さん)も盲信するような対象、いわゆる私の「推し」ではないのに、強く強く心を揺さぶられました。

こんなに泣いたの本当、江水以来かもしれない。

(江水も観劇当時は特定の推しが定まっていなかったので割と条件は似ている)

 

内容を本当にシンプルにいうなら「にっかり青江の修行」をあらやんなりに解釈して表現したモノ、ということになると思います。

 

これまでに出陣した「三百年の子守唄」「葵咲本紀」、そして「歌合乱舞狂乱2019」の公演を通じてにっかり青江という一振の刀が何を見て、何を思ってきたのか。にっかり青江の目にはどんな風に映っていたのか。

それをひとつひとつ丁寧に読み解いて、伝えてくれる、そんな公演でした。

にっかり青江らしく、「笑う」という行為を軸に語るのも良かったです。

 

審神者がおよそ知ることの出来ない、想像もつかない、刀剣男士の責務の厳しさを突きつけられる場面もありました。

例えば「三百年」の中で行った「刀剣男士が歴史上の人物に成り代わって歴史を成立させる」というところに関しては、鳥居元忠を演じた物吉くんのことが語られるのですが、これもまあ、壮絶。

これを見ると鶴丸が松井に「刀剣男士、やめるか?」と言ってしまうのも頷けます。

行った先の時代で関わってきた人々が死ぬのをわかったうえで、心を持っているが故に「歴史のままに」死なせるために行動しなければならないということには皆苦しんでいて、それを見た仲間がどう思っているのかという視点から語るのはにっかり青江らしいなとも思いました。

その上で己と向き合うということにも軸が置かれていて、幼子や人々と関わり、慈しむ姿や、ずっと自らの側に居た女の幽霊とも正面から向き合い、武力ではなく精神的な強さを得たところで「極」の姿になったのも印象的でした。

ゲームだと3日で終わってしまう修行をここまで深く、細やかに想像して演じられるのはいかに荒木宏文という役者がにっかり青江という役に対して真摯に向き合ってきたかの証左にほかならないと思います。

 

久々にいいものを見ました。

本当に良かった。

どうかこの度が最後まで無事に終わりますように。

最大限の敬意をこめて。