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【感想】ミュージカル『刀剣乱舞』歌合乱舞狂乱2019【1/22夜・大千秋楽LV】+埼玉楽・大阪初日ネタバレ

 

はじめに

今回は刀ミュ歌合大千秋楽のLV参戦の感想です。

 

前回までの現地レポはこちらから。

 

edgarsakura.hateblo.jp

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今回は公式より情報解禁の許可が出ましたので、ネタバレありです。

現地でのこともネタバレ込みで追記出来ればと思います。

 

以上御理解の上、ご覧ください。

 

 感想 (1/24 大楽LV)

 

 

こてくんについて

  • カメラに抜かれると100%気づいてアピールするからオタクは画面見てるだけで爆散できる
  • 前説からオタクには死が待ってる
    ???「お前たちの死が来たぞ!」(別刃)
  • 腰のカーン(梵字)をチラ見せするアピール、ヤバい、なんだあれ、爽やかだから色気とかそういうのじゃなくて死ぬ
  • 江が増えてめちゃめちゃ嬉しそうで泣いてしまう
  • 歌もどんどん上達してるしダンスはもともと結構いいし、れっすんの成果
  • 御手杵とか色んな人に積極的に絡みに行く姿勢可愛くて大好き
  • 槍2人との絡みが可愛すぎて尊い、身長差
  • ウインクからハートから何から何までアピールが毎回違う、レパートリーありすぎる
  • 何やっててもカメラ見えてそう、カメラ目線が得意すぎる
  • 何やっても最高だし可愛いし清光や安定とかとはまた違った可愛さ、あざとさでSo Good
  • 江ミュ期待しかしてない、みんな最高だ、ありがとう
  • 曲の関係でセンステど真ん中に立ってくれるの嬉しすぎた

 

こてくんの話は多分どれだけ書いてもこんな感じになってしまう。

 

可愛すぎて無理だ好きだ。

 

ところで。

 

ネタバレ的なもうちょっと有益な話をしましょう。

 

日替わりなど

安定登場シーン じゃんけんのあと

  • 1月5日 埼玉楽
    「せ・ん・ご・む・ら・ま・さ!」→「脱ぎマショウか?」
  • 1月15日 大阪初日
    「ひ・じ・か・た・と・し・ぞ・う!」→「石田散薬ください!ないか〜!」
  • 1月24日 大楽
    「き・よ・み・つ!」→「デコっちゃうぞ〜!」(小狐丸に襲いかかる)

湯上がりのシーン・軽装について

  • 長野公演〜愛知公演までは蜂須賀の衣装は内番服
  • 大阪初日(5周年翌日)に蜂須賀の軽装披露
  • 軽装披露のときの虎徹 (大阪初日)

    カテコの三条の挨拶の前に長曽祢が客席に
    「蜂須賀の軽装はどうだったか?」
    「かわいかったか?」
    「綺麗だったか?」
    質問攻め、応える客席阿鼻叫喚。
    長曽祢さんデレッデレでした。
    蜂須賀つれない態度だったけどそれを長曽祢さんが「嬉しいんだろう」みたいにフォロー。

カテコ挨拶

  • 埼玉楽
    小狐丸が「こんなとき三日月宗近ならこう言うでしょう」(うろ覚え)という流れで「今宵は楽しんでくれたか……?(客席拍手)…可愛いやつめ」
  • 大阪初日
    この日も小狐丸。挨拶で噛んじゃって石切丸といまつるちゃんにフォローされる小狐丸。噛んじゃったこともあって割と短め、あたふたしてて可愛い小狐丸はレア。

その他

  • 大阪初日前説、たこ焼きの話をする脇差

 

また思い出したことがあれば書きます。

 

内容について

ここからは考察にもならないですがなんとなく思ったこととかそういう感じ。

 

全体の流れ (セトリ)

  1. 前説…篭手切江、堀川国広、物吉貞宗
  2. OP…全員。例の歌、儀式(=刀剣男士鍛刀)の始まり
  3. 百度参り…石切丸
  4. こんぺいとう…蜻蛉切
  5. 曲 (mistake / Inpulse / Stay with me)
  6. 「菊花の約」…にっかり青江 (サブステ)
  7. 梅の木の話…明石国行 (漫談)・今剣・小狐丸
  8. 曲 (Brand New Sky / Nameless Fighter / 約束の空)
  9. 畑当番…安定、巴、むっちゃん、大倶利伽羅
  10. 鯛…歴史人物キャスト (サブステ)
  11. 曲 (前進か死か)
  12. 湯上がり軽装…兼さん、青江、蜂須賀、堀川
    ギターで伴奏してくれる堀川くん
  13. 曲 (描いていた未来へ)
  14. 狐…小狐丸ほか
  15. 曲 (響きあって/ ※百万回のありがとう / ※勝ちに行くぜベイベー / 獣)
    ※は客降り
  16. ED…儀式の終わり、刀剣男士顕現 桑名江(長野〜埼玉)・松井江(愛知〜東京)
    楽日は全員揃ってのカテコ

歌合とは

kotobank.jp

この刀ミュにおいては歌詞にも「右に左に」「青に赤に」とあるくらいなのでルールは遵守している模様。

ここで鶴丸以外の刀剣男子たちは主に「方人(かたうど)」となり、パートによって変わりますが一応伝統的な分担を踏襲している模様。

堀川くんといまつるちゃんは読師(とくし)、読み上げる役割だったということでいいんでしょうか。

鶴丸だけは方人にならず、最後の「勝敗はお預けだな」という台詞から全体を通して「判師(はんじ)」の役割だったことがうかがえます。

これが本編とどう関わるのかはわかりませんが、鶴丸が特別な存在だということは際立った気がします。

 

例の主題歌(?)の話


ミュージカル『刀剣乱舞』 歌合 乱舞狂乱 2019

 

これ主題歌じゃなかった。

神降ろしの歌。儀式の歌。

 

和歌

セトリ順。

特に表記のないものはすべて詠み人知らず。

カッコ内は歌合における詠み手。

参考にしたのはWikisourceです。

ja.wikisource.org

  • 万葉集 3287
    「天地の神を祈りて吾が恋ふる君い必ず逢はざらめやも」 (堀川)

  • 古今和歌集 942
    「世の中は夢かうつつかうつつとも夢とも知らず有りてなければ」(今剣)

  • 古今和歌集 544
    「夏虫の身をいたづらになすこともひとつ思ひによりてなりけり」 (堀川)

  • 万葉集 832  神司荒氏稲布
    梅の花折りて挿頭せる諸人は今日の間は楽しくあるべし」(今剣)

  • 万葉集1116
     「ぬば玉の吾が黒髪に降りなづむ天の露霜取れば消けにつつ」(堀川)
    ちなみにこれは万葉集の中でも「雑歌」とされるもので詞書(?)に「露を詠める」とあり。

  • 古今和歌集 881 紀貫之
    「ふたつなき物と思ひしを水底に山の端ならでいづる月かげ」(今剣)
    雑歌、詞書「池に月の見えけるをよめる」

 

詳しい意味はこの方のぷらいべったーがとても丁寧に書いてらしたのでご紹介しておきます。

privatter.net

 

その他語りパートの元ネタなど

細かな考察はいろいろな方がしている通りだと思うので、ここでは既出の話ばかりかもしれませんが、おさらいを。

セトリに関しても鍛刀の手順を踏んでいるというのは妥当だと思います。

そもそも儀式の歌が神様の名前並べてて、その神様が分裂した(?)という神話と一致するようにやってると思われるので。

 

  • 百度参り
    石切丸と小狐丸はそれぞれ神社にゆかりのある刀なので玉砂利が懐かしい。そして石切丸のいる石切劔箭神社ではお百度参りが現在でも盛ん。
    この前行ってきたときの記事はこれです。 

    edgarsakura.hateblo.jp

  • こんぺいとう
    ゲームにおけるアイテム「根兵糖」であり食べ物の金平糖であり玉鋼の比喩。
  • 「菊花の約」(きっかのちぎり)
    元祖怪異小説集、上田秋成の「雨月物語」より。
    現代語訳のサイトもありました。

    www.koten.net

  • 梅の木の話
    これも考察されている方がいましたが、梅の木と枝が守るべき歴史の比喩として使われている模様。
    伝統的なものによるなら「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」ということわざが元ネタかと。
    ※2020-06-22追記:そういえば、小笠原信夫先生の「日本刀」という本の中で国行の作風を「梅花をつけたるごとく」(p41)というふうに表現している文献についての紹介がありました。深読みしすぎているような気もしますが。

  • 畑と鯛
    神事における捧げ物としての意味合い?さつまいもはその丈夫さから生命力の象徴や子孫繁栄のような意味合いでめでたいものとして扱われることもあるとか。

  • 湯上がり軽装組
    やっていることは一見、他愛のない会話ですが刀にとって油は大事なもの。ここでは椿油でしたが、日本刀には丁字油です。丁字はオリーブみたいな木らしいです。ちなみに模造刀だと髪に塗るような椿油でもいいと書いてあったりします。
    でもごま油は絶対塗らない。カネサン……


  • 小狐丸の背負う物語ともいえる能「小鍛冶」と現実における巴里公演でのトラブルで代役を立てたという刀ミュ本丸における物語のリンクが見事。
    作刀における「真打」「影打」の概念も反映していて、今回の中で一番重く意味のあるパートだったかと思います。
    Twitterでも書きましたが、巴里公演の小狐丸もまた小狐丸であるということになり、刀ミュ本丸が物語を紡いできたからこそ実現したもの。
    あのときの無念が晴らせたかはわかりませんが、それでも画期的で意味のあるものだったと思います。これは他の作品には絶対に真似できない部分。

 

まだ書きそびれたことがありそうですが、一旦ここで筆を置きます。

また気づいたことなどあれば追記しますが、Twitterなどの考察も見ながら色々考えていたり。

 

といっても私のやるべきことは内容の考察云々よりレポートなんですけどね。

まあいいです、今日も試験なのでこのへんで。

では。

 

あなたと歌合。

 

 

※追記

 

 

歌詞に関して

最後の刀剣男士顕現前に「苦しみを背負わせる」という内容の歌がありますが、あれについてメモ程度に。

 

仏教における苦しみのことで「四苦八苦」とも言われるもの。

単なる「苦しい」「つらい」というような感情とは違って、肉体的・精神的な悩みを負う状態のことを指す模様。

メジャーなのが四苦

  • 生苦
  • 老苦
  • 病苦
  • 死苦

ちょっとマイナーだけど四苦にこれを足して八苦。

  • 愛別離苦 (あいべつりく)
  • 怨憎会苦 (おんぞうえく)
  • 求不得苦 (ぐふとくく)
  • 五蘊盛苦 (ごうんじょうく)

kotobank.jp

 

これらはすべて仏教において「人間が背負うあらゆる苦しみ」。

本来は刀であり神である彼らに対して、無縁であったはずの八苦を与える儀式がこの歌合だったということ。

その理由も「歴史を守るため」「戦うため」というふうに歌っていて、歌詞全文が気になるところ。

この「人間が背負うあらゆる苦しみ」を背負ったからこそ刀剣男士たちが「こころ」を持つことができるようになった、とするならば、今までに何度も出てきた「ものであったはずの彼らが葛藤する」というシーンに対しての見方が変わるような気もする。

 

もしかしたら呼応してくれない神様もいるのかもしれない。

それでも松井江はただ「歌が、聞こえた」とだけつぶやいてその呼びかけに応えた。

顕現するって気軽にやってるし言ってるけどめちゃめちゃ重いじゃないですか、ねえ、ちょっと、待って。

 

ここまでさんざん「神様」と言ってきたけどこれ仏教の世界の話なのでどうなのかわかりません。

ただ仮に、神仏の視点から見て、「人間と物」「神と人」との区別の基準が「心があるかないか」「悩むかどうか」みたいなものであるのだとしたら、刀剣男士にとっての「人間らしさ」の基準が「八苦を背負っているかどうか」になったとしても不思議ではない。

 

そういやあおさくのヤバいところ、にも挙げた気がするけど。

 

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こてくんの神様意識の高さとその割に悩む姿が対照的で二面性があった、とは思ってたけどここに来てその理由というか意味というか、刀剣男士が悩むという行為に慣れてないのは単にものだったから、神様だったから、というよりこうしてわざわざ与えられた「八苦」だから、というふうに読むと納得できる部分があったり。

 

でもやっぱりあおさくのこてくんが言い放った「人間じゃないんだから」の冷たさには慣れないし、怖い。

 

 

他の江も何言い出すんだか怖すぎる。