Stellar Interlude

The show must go on!

【感想】舞台「文豪ストレイドッグス 三社鼎立」【7/9 夜・前々楽】

昨夜は文ステ第3弾「三社鼎立」観劇して参りました。

原作及びアニメ履修済みの方にはあまりネタバレ感がないかとは思いますが、念のためネタバレ注意です。

正直、前回の「黒の時代」を超えられるのかどうか、を心配していました。

ですが、そんなものは杞憂でした。

「三社鼎立」はまた違った部分で素晴らしくて、漫画やアニメの表現をいかに舞台に落とし込んだか、というのに磨きがかかっていました。

異能が発動する度に「あの異能はこんな風に見せるのか……!」と感心するというか、なるほど……と唸らせられる場面が多かったです。

初演から前説担当の乱歩さんには毎度安心します。 今回は谷崎兄妹と一緒に登場で、いちゃつく二人に「……僕、いる?」と言うとお客さんから拍手喝采&「いるー!」と呼びかけられてるのが可愛かったです。

圧倒的アドリブ力は流石イタちゃん……。

ちなみにこの日はヘタミュで共演の吉谷さん、刀ミュで共演の有澤くんが来ていたとか。びっくりですね。 平日夜あるあるですが。

全体的に敦くんが本当に良く動く。鳥ちゃん凄い。 でんぐり返しめちゃくちゃ多いです。そりゃ身体のメンテもよく行くでしょ、って感じの動き。

鏡花ちゃんと姐さんの夜叉同士の殺陣は見事でした。 ふたりの史実の師弟関係も知っていると、尚更泣けます。 (史実では紅葉先生が鏡花ちゃんに過保護で、芸者さんとの結婚を反対されるということがありました。『婦系図』もこれがモデルです)

光に焦がれて恋人を失った姐さんが鏡花ちゃんをあくまで善意で守ろうとするのもまたひとつの正義、敦くんのように鏡花ちゃんの願いを叶えようとするのもまたひとつの正義なんだなと……。

あんまり泣くシーンじゃないと思うんですけど鏡花ちゃん大好きなので泣いてしまいました。はい。

何より夜叉の刀がいいよね、っていう話も。 (脚本の方は刀ミュなので尚更)

あとは舞台が斜めになっていて、客席側に向かって滑り降りてくるようなアクロバットも多かったのが印象的。 おそらく、傾斜がないと滑れないから作ってるんだろうな、という感じです。

原作ではあまり目立たなかった「白鯨」の主、ハーマン・M役の方がダンサー出身ということもあり、キレッキレでした。 あのハーマンがめっちゃ踊ります。見た方がいいです。

そして推し、Qちゃんのターンは凄かった。 演じている子が生執事のサーカス編に出ていた子で、圧倒的身体能力。 アクロバットというかもうバク宙連チャンで決めてて凄い。女性です。 「呪われあれ」のところはしんどくて泣いてしまう。 子供に背負わせていいやつじゃないよあれ……(原作もそうでしたが) 人形もちゃんと再現されてました。怖かった。

冒頭から登場するアンの部屋も凄いんです。もちろんアンもいました。 あれは普通にホラー的なので怖かった。 でもアンの敦くんに対する乙女なところも丁寧に描かれてて、パラシュート渡すところとか切なすぎて泣ける。 袖から出入りするとき可愛いスキップ気味なのもすごく良くて……。 狂気と乙女なところの振り幅が凄まじかったです。笑い方もいい。

檸檬は通常運転です。狂気じみたのが多かったのでなんかむしろ安心する。アンサンブルの檸檬爆弾も見慣れると違和感がない(そんなことはない) ちゃんと吹っ飛んでました。大丈夫です(?)

一番語るとしたら双黒でしょうか。 中也と太宰の関係性が完璧。 喧嘩するほど仲がいい、といって茶化したくなるのもわかる。

太宰が中也をひっくり返してお尻ぺんぺんとかしてました。 完全に遊ばれてます。 ちなみに太宰は芥川もおもちゃにしてます。恐ろしい男……! 罵り合いながらも絶対的な信頼関係を感じさせる、あの絶妙な空気感が見事に表現されてました。 中也を演じるうえちゃんは素だと可愛い感じなんですが、中也の時はもう狂犬としか言えない叫びと熱でもって闘ってました。 「汚辱」の瘢痕もちゃんと表現されてて、メイクさんの気合いも感じました。

新双黒も同様。

罵り合いながら、ぶつかり合いながらもフィッツジェラルドに立ち向かうところは他の媒体でも散々やってきましたが、舞台ならではの迫力が凄かったです。

今回はやっぱりフィッツジェラルドの存在感が圧倒的で、さすが君沢ユウキくんだなと……。

彼の迫力、圧倒的オーラはフィッツジェラルドそのもので、札束がよく似合ってました。 「華麗なるフィッツジェラルド」のところはプロジェクションの札束に黄色い羽扇子を持ったアンサンブルという表現でしたが、出来れば札束ぶちまけて欲しかったなぁとか。 片付け大変だからないと思うんですが、いつかそんなのも見てみたいです。

そんなフィッツジェラルドに左右から完璧に同じタイミングでぶつかっていく新双黒、息ぴったりでした。最高。

そこでかかる「風が吹く街で」。

文ステは毎回、アニメの曲がクライマックスでかかるんですが、これがもう激アツ。 鳥肌ものです。 おなかに響くような音の衝撃は劇場でしか味わえないもので、今回ライビュをやらないのも納得しました。

鏡花ちゃんの白装束も見られて幸せです。 あとは謎のクレープおじさんとかコメディ要素もありつつ、シリアスさや原作の大事な部分は壊さないところが信頼できます。

漫画や小説、アニメに映画も良かったんですが、やっぱり演劇の中でしか出来ない微妙なニュアンスとか絶妙な空気感が楽しめるのが最高でした。

太宰が「古い友人に言われたんだ……人を助ける側になれ、と」(一部省略)と織田作の言葉をつぶやくところの表情があまりに優しくて……。

ラスト、新双黒が地上に降りて敦くんと芥川がバチバチしたあと「見逃してやる」からの芥川が太宰に褒められてぶっ倒れるというところもありました。 が、意外だったのがそこで客席から笑いが起きたこと。 そこで笑いが起きるのは原作やアニメでは想像もつかなかったので、舞台では「面白く」映るんだな、という新鮮さもありました。 我々がアニメを見ながらTwitterで「可愛い」とか「萌える」というのが舞台のときは笑い声や歓声になる、というところでしょうか。 確かに倒れ方や周りにスルーされてる芥川はちょっと可愛かったです。はい。

他媒体とは違う反応になるのも舞台の妙ですね。

白鯨墜落のところでドスト様のチラ見せあったので、DAが舞台化するか?という期待も込めつつ。 前々楽といういい日に見られたことも良かったです。 そして今日が千秋楽ですので、何か発表あるでしょうか。楽しみですね!!!!!!!!!

ではまた!!!!!