Stellar Interlude

The show must go on!

【感想】舞台 文豪ストレイドッグス 序 探偵社設立秘話【9/25夜・前楽】

文ステ「序」の2本同時公演の2本目「探偵社設立秘話」観て参りました。

最推しの名探偵・江戸川乱歩の少年時代ということでもう、本当に、発表から待ち望んでいました。

 

この前観劇した太宰・国木田の「太宰治の入社試験」の感想はこちらから。

 

edgarsakura.hateblo.jp

概要などはそちらの記事も参照して下さい。

 

 

流石前楽公演、圧倒的な完成度でした。

ネタバレなどもありますので自己責任でご覧下さい。

 

 

 

感想

あくまで江戸川乱歩推しの視点です。

乱歩さんは原作・アニメからの推しですが、このお話で明かされる乱歩さんの身の上や周りへの考え方、振る舞いなど、どの設定もほんっっっっっっとうに好きで、長江くんのお芝居が解釈一致すぎて怖いぐらい。

特に笑い方が素晴らしい。

あのハイトーンハイテンションハイテンポで笑えてしゃべれて動けるのは長江くんだからだと思ってます。

 

今回の衣装も素晴らしい。

外套バサバサしながらくるくる回るのも可愛くていいんですが、福沢先生が口にする「繭」という比喩の時にその外套にくるまったり、何かと乱歩さんの「危うさ」の表現に繋がっていたのも良かったです。

 

 

でもやっぱり中屋敷さんの舞台のテンポは良いですね、疲れる人も居るかもしれませんが頭の回転の速さが特徴的なキャラクターにはぴったり。

あれだけ無邪気に駆け回りながら一人何役もこなしてみせて、声色もプロの声優に負けないくらいの豊かさで、乱歩との切り替えも見事。

長江くんのことはヘタミュのイメージが強いのですがそれでもやっぱり経験値の高さと若さ特有の元気さや無邪気さが交わった特異な役者さんだと思います。

彼に関して言えば青山オペレッタで声優と俳優をこなすというプロジェクトが始動したばかりなので本当に期待でいっぱいです。

 

と、少し話がそれました。

今回の何がいいってやっぱり、劇場を舞台にした作品を舞台作品として劇場で上演するということ。

劇中で客席に話しかけるシーンでは実際の客席に向かって「この人たち、みんなお金を払って見に来てるんでしょ?」

狂言殺人を企てた村上青年に対して)「村上さんの劇団はエンターテインメントを届けているっていうけど、今のお客さんの顔を見てみなよ」(ニュアンス)

などなど。

実際の劇場空間で上演することで、こちら側が「劇中の観客」として参加することが出来るという構造なのがメタofメタという感じでものすごく楽しかったです。

こういう「第四の壁」を意識しつつも単なるメタ発言ではなく、劇中できちんと筋が通っているのはめったとないのでわくわくしました。

 

あとはやっぱり、福沢先生の殺陣がかっこいい。

あえての刀、あえての素手という切り替えも福沢先生の強さを観られる貴重な機会になりました。

乱歩さんの保護者でありながらパートナー的な役割でもあり、時には観客を代弁するような役回りだったり、それでもなんだかほっこりして、和泉さんの福沢先生が好きです。

乱歩さんが最後に叱られて泣きじゃくるところとかもう親子。

特異な才能をあえて「異能力」として乱歩さんを守ろうとしたのは福沢先生の機転によるものでしたが、それ以前に彼が実の両親にいかに愛されていたかもきちんと描かれていたのが良かったです。

また、この時点ではまだ「超推理」とは呼ばれていませんが、これまでの作品でやってきた「超推理」のプロトタイプ的な演出もつけられていて、スポットライトを一身に浴びる乱歩さんの眩しさが心の底から嬉しくって胸がいっぱいになりました。

やっぱり世界最高の名探偵は彼しか居ませんね。ええ。

「愛すべき人々を守らなければならない」という精神になるのは流石警察官の子、いや、ご両親の教育のたまものだなとも思ってつい涙。

 

いろいろな作品に江戸川乱歩や乱歩作品をモチーフにしたキャラクターは登場しますが、やっぱり私個人としては文ストの乱歩さんが好きだなと改めて実感しました。

もちろん文ストは名前を借りているだけで作家自身ではありませんが、この乱歩さんは江戸川乱歩という作家が持っていた旺盛な好奇心やものの見方、変わり者であっても冷血なわけではなく、むしろ周りへの情が深く見えるところは通ずるものがあるようにも思っています。

でももし、作家自身が生きていたらきっと観てくれただろうと思います。

なぜなら江戸川乱歩という作家は浅草の芝居小屋や劇場、寄席なんかも愛する文化人でしたし美少年が大好きだったので……。なんて。

 

Twitterまとめ

 

銀幕の続報も楽しみにしながらこの辺で。

また次の現場は多分、源氏双騎です。

 

では。

 

映像・原作情報

BD&DVD 

 

原作