【感想】6月歌舞伎「月光露針路日本 風雲児たち」
割と急遽決まった歌舞伎鑑賞、実は初めてでした。
見たのはこちら、三谷幸喜演出の「三谷かぶき」と言われる「月光露針路日本 風雲児たち」。
漫画原作ということもあり、実質2.5次元だとかなんとか言いながら見てまいりました。
歌舞伎座
感想の前にざっくり写真を。
大学で「今日は現場?」と聞かれて「半分正解」と答えたのでその答え合わせです。 pic.twitter.com/Nhv5BtqTau
— 江戸川 櫻 (@edgarsakura) 2019年6月11日
ほかにはこんな感じ pic.twitter.com/8plSVQR5Ji
— 江戸川 櫻 (@edgarsakura) 2019年6月11日
活気があっていい雰囲気でした。言うなればテーマパークのような賑わい。 平日夜ということもあり、外国人観光客よりもお年寄りに近い年配層が多かった印象。
感想
歌舞伎ってこんなのなの!?という感じです。
まあなんといっても三谷幸喜なので。三谷作品だと思えば納得というか、歌舞伎という下地を存分に活かした演劇といった印象。
ただ、歌舞伎座という場所の文化が面白い。
例えば3部構成、その幕間のお弁当、劇場内の雰囲気……どれも他の劇場や演劇の現場とは違った、一体感や不思議なリラックス感が心地よく感じるほど。
以前見に行った大相撲のときの国技館のような、そうした「ハレの場」として劇場が機能していることを肌で感じました。 着物で着飾っている人や、仕事の接待のような形で来ている人、私達のように普通に観劇に来る客もいますが、全体を通して明るい雰囲気が印象的。
作品の内容としては、江戸時代に漂流した大黒屋光太夫という伊勢の商人が10年の歳月をかけて帰国するまでの冒険譚です。 大黒屋光太夫という人は日本人で初めて紅茶を飲んだとも言われていて、そういう意味では私にとっても馴染み深く、紅茶関係の知人が現在歌舞伎座に出店していたりします。
そういうわけでエピソードそのものは既知のものでしたが、歌舞伎の世界に落とし込まれると全く別物。
役者さんの名前に詳しくないので申し訳ないのですが、高麗屋勢揃いだというのはわかりました。 座組で一番若い染五郎くんめちゃめちゃかっこよくて、というかお美しくて、なんで今まで存じ上げなかったんだろうと本気で悔やみました。 とりあえずインスタフォローしました。
2005年生まれ(早生まれなので学年は2004年)らしくて、もう普通に年下なんですけど、しっかりしてるというか、なんというか、舞台上での存在感が半端じゃなかったです。
大人ばっかりの中で堂々と、しかもなかなか毒舌なツッコミ役が似合ってました。和装洋装どちらもお美しい。
一番面白かったのは犬のシーン。雪のところで黒衣ではなく白い「白衣(?)」が出てきたところも好きなんですが、やたら気合の入った犬のきぐるみがわんさか出てくるところは涙出そうなくらい面白かったです。
さすが歌舞伎座、謎のリアリティ。
あとは波の演出もなんですが、とにかく人力がすごい。チケ代が普通の舞台の倍なのは、生演奏と黒衣さんの人数によるものなのかな、などと思ったり。
今回は2階席だったので、いつか1階の桟敷で見られる身分になりたいところです。
歌舞伎ならではの屋号の掛け声をする人はもう「TO(若手俳優業界でいう、トップオタク)」的な存在がいるようで、なるほどなと思わされました。
感想が薄くなってしまって自分でもどうしたらいいかわかりませんが、新しい世界を見られて楽しかったです。
次回は古典作品を是非。
幕間のご飯もスイーツも最高でした。場外で買えるものもあるので、また機会があれば立ち寄りたいと思います。
それでは。