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【感想】舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-【1/14・夜】

昨日は舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-を観劇して参りました。

会場は豊洲のステージアラウンド東京。

 

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初めての会場でしたが、特殊な舞台機構などが特徴の劇場でもあり、それも存分に生かした作品でした。

 

この先は過去作にも関する重大なネタバレがありますので、自己責任でご覧下さい。

 

 

 

以下ネタバレしかありません。

 

今作を見る前に

出来ればこれまでの刀ステをすべて見てから行くことをおすすめします。

特に「虚伝 本能寺初演・再演」「ジョ伝」は必修科目。出来れば小田原も。

 

 

 

 

 

 

 

 

大まかなあらすじ・時代・時間軸について

タイトルの通り、大坂冬の陣の開戦直前〜終結後までの時代。

ステ本丸の時間軸としては、「如伝」と「悲伝」の間の出来事。

また、今作でも時間軸を示すために維伝パンフに掲載されていた例の一覧が登場しましたが、今作にてようやくこれが黒田官兵衛(如水)の記録した戦歴帳であることと、それによって本来なら歴史の自浄作用によって忘れられる刀剣男士との戦闘の記憶を弥助が思い出せた、ということが明かされました。

黒田官兵衛は如伝のあとになるのでとっくに死んでいるはずなのですが、弥助に知恵を与え、手駒となる時間遡行軍の「阿形」「吽形」を飼い慣らし、人の言葉を教えるなどして死後も天下を狙っていたことが明かされました。

そしてその官兵衛の謀略が今作でも最大の敵となる、という状況。

大坂冬の陣の歴史が人質に取られ、刀剣男士たちは「戦わざるを得ない状況」に陥れられ、大坂冬の陣が弥助の願いである「信長を諸説に逃がす」ことの実験に使われてしまうという……。

今作では「諸説に逃がす」という言葉が頻出しますが、これは歴史の上では死んだ人物に対して生まれる「生存説」などを利用し、表の歴史では死なせても、こっそり助けて「諸説」と同様に生かそうとする試みのことのようです。

弥助が今作にも登場した理由は「あの日の本能寺に戻り、信長を助け出し、表向きの歴史では死んだことにして生存説という諸説の中に逃がす」ため。弥助の言い分としては、これなら歴史改変にはならないだろうとのこと。

また、その手段は「人であるために時間遡行することは出来ないが、死んだ審神者の手を飲み込むことで刀剣男士を顕現させる能力を一時的に得て、自らが自害するときに信長ゆかりの刀を用いて『信長のために戦った弥助の死』という逸話を与えて信長を助け出すための刀剣男士を顕現させ、時間遡行させる」というもの。

劇中では実際には顕現に至らず、鵺のような化け物未満の状態で登場したわけですが……。

このように、今作では「諸説に逃がす」と「刀剣男士の顕現の条件」についてが鍵となっている様子でした。

刀剣男士としては「諸説に逃がす」ことは歴史改変にあたるというスタンスで、顕現のためには審神者が居ることと逸話=人から人へと語り継がれてきたものを持ち、その逸話は語り継がれることで強度のあるものとして意味をなすようになるという話でした。

一方で、弥助の言い分は「諸説に逃がす」ことは歴史改変にあたらず、顕現には一時的でも能力があればよく、逸話は付け焼き刃でも試す価値はあるという考え方でした。(まあそれによって悲惨な結果になるのですが)

このあたりはまた観劇して確認したいと思いますが、刀ステにおける物語の意味や「維伝」最後の「物語をおくれ」といって彷徨っていた山姥切国広?の姿は「逸話を集めることで顕現出来る」という考えが元になっていたのかもしれないという考えにも至りました。

 

刀剣男士ごとの状況・展開は次の通り。

一期一振(本田礼生)……大坂の記憶は燃えてわからないが、秀吉の「秀頼を頼む」と願った声が聞こえる。兄であること以外の「自分」は何者かを秀頼に問われて葛藤するが、記憶が無くとも弟たちがいることによって自身が兄でいられることに救われているという結論に。

鯰尾藤四郎(前嶋曜)……同じく記憶は無いが、前向きなのであまり困っている様子はなく、偵察を任される。今作では核心への言及はなし。

骨喰藤四郎(北川尚弥)……同じく記憶は無いものの、鯰尾同様に今作では核心に触れるようなやりとりは見受けられず。ただし、今作はまんばちゃんがいることやその他の状況からも「如伝を知っていること」「小田原出陣に参加している」骨喰である必要があったことから、その両方に参加した尚弥くんがキャスティングされたのだと思います。そうなると次回、骨喰が三津谷くんになるのは悲伝に出陣していて三日月とも関わりがあるから、ということが自然とわかるかと思います。

宗三左文字佐々木喜英)……弥助や信長をはじめ、「燃ゆる本能寺」の記憶がある刀剣として呼ばれた状況。今回はまんばちゃんと同じ出陣の記憶を共有する刀として戦うことと、太閤左文字の兄としての振るまいが見られるのがポイント。

加州清光松田凌)……「始まりの頃からいた一振り」と称するも、近侍はあくまでまんばちゃんという考えに至ったことが明かされる。今作ではやや俯瞰の立場で、まんばちゃんとの掛け合いが重要な役割。この点は中の人同士の関係性も存分に生かされた演出だったようにも思えましたが、加州清光は初期刀かどうかはともかく「始まりの頃からいた」ことが明らかになりました。

太閤左文字(北乃颯希)……唯一、未来の時間軸からきたという刀。同じ本丸の刀剣男士であることは「匂い」でわかるとしつつも、太閤左文字が顕現したときにはまんばちゃんは不在で、まんばちゃんは旅に出たきり帰ってこなかったことを知っているとまで言いました。そして、主はまんばちゃんがいつか帰ってくることを信じているとも。

彼以外の刀剣男士は最初に書いたとおり如伝と悲伝の間に出陣してきていて、一方で太閤左文字だけはまんばちゃんが旅に出たあと(慈伝・維伝以後)の時間軸から来ているため、本丸の未来を知っていると言うことでした。

これがどう転ぶかは次回次第ですが……怖かったです。

 

感想

Twitterまとめ

 

刀剣男士ごとの感想

一期一振(本田礼生)

あまりにもロイヤルが過ぎる。中の人がアクロバットが得意な割には封印してると思ったら殺陣は見た目に反してアクロバティックで、やっぱり派手。

いち兄はやっぱりいち兄でした。弟が居るから兄でいられる、兄だからこそ弟のために頑張れるという美しい兄弟愛も見えたり。弟たちのほうがステには先に出演していましたが、いち兄がいるとみんな少し素直になって、弟らしくなるのもわかってほっこりしました。秀頼とは似たもの同士という描かれ方もしますが、秀頼に対して「蒼空(あおぞら)のような人」といい、秀吉の声(=一期一振への祈り)を思い出して力を与えるところはまさに豊臣の守り刀。最高にかっこよかったです。

 

鯰尾藤四郎(前嶋曜)

かわいい!!!!!!明るい!!!!!!!!弟にならない???(お覚悟されるので駄目だけど)

明るさと裏腹にやってることは「ガチ」なのがいい。杉江くんも好きでしたが、前嶋くんの鯰尾もまた違った無邪気さがかわいらしくて、それでいて戦闘になるとぞっとするほど強くなるのも見事でした。骨喰よりは喋るキャラでもあるので、ところどころでいち兄を助けたり、状況を整理するなどある程度観客寄りの視点で話を進められる重要な立ち位置でもあったと思います。殺陣もこの中では若手のはずが見劣りするようなことはなかったので、これからも楽しみです。

 

骨喰藤四郎(北川尚弥)

いつ見ても可憐。いつ見てもクール。いつ見ても最高。ひいき目100000000000割り増し。

もうずっと追っかけてきた推しなので思い入れもひとしおですが、やっぱり骨喰の可憐さは尚弥くんにしか出せないと思います。殺陣も上手くなって、見違えるほど頼もしくなったなぁという意味で泣いてしまいそうになりました。

骨喰にしては今作はセリフがある方ではあったのですが、いち兄がいるからか少し弟らしく、脇差らしい言動が目立ったのも意外でした。本来、骨喰は見た目に反して一本芯の通ったかなり漢らしいキャラクターではあると思うのですが、今回はその側面以上に弟として鯰尾と連携を取ったり、兄を案じたりという姿が見られて新鮮でした。

骨喰もちゃんと弟なんですね……。(今更)

清光と組んでくれてありがとう。最高でした。

 

宗三左文字佐々木喜英

美しい。私も国一個ぐらい潰してでも手に入れたい。(国もってない)

これまでに出陣していて、弥助も、弥助が固執する信長のことも、そして豊臣のことも知っている刀なのでひときわ特異な立ち位置でもありましたが、今までよりずっとずっと強くなっていて、長谷部に見せてやりたいとかそんなことばかり思いました。

人妻感というかなんかこうすごい色気なんですが、それでも前よりはずっと漢になっていたというか、強さが全面に見えていたのも凄くよかったです。

何よりも変わらない究極の美。ヒデ様万歳。

太閤左文字との掛け合いはこれまでにない兄の顔を見ることが出来て、しかも太閤左文字という陽キャとの絡みはまた違った雰囲気で新鮮でした。

 

加州清光松田凌

加州清光、本人が居ました。2次元が現実にというか加州清光受肉したらこんな感じという、なんかもう、すべてが加州清光

松田凌くんはやっぱり自分の推しだった鎧武のグリドンや斎藤一を演じていたこともあって凄く信頼できる役者さんという認識はあったので、ミュで流司くんがつくってきたあの清光に恋した私でもきっとまた恋するんだろうなとかは思ってたんですが、最初のビジュアル公開はもちろんのこと、劇場で動いてるのを見てなんかもう色々考えてたのが全部吹き飛んで「好き」しか言えなくなりました。

加州清光は実在したんだ、加州清光はそこに居た。

柱にもたれかかったり、爪を気にしたり、殺陣の雰囲気や会話の端々から感じられるものすべてが私の思い描いていた、いや、私も想像しなかったことを含めても加州清光そのものでした。

沖田くんとの思い出を話すときの「……あの人は、大事には使ってくれなかったけど」(意訳)のもの悲しさと沖田くんへの愛おしさの詰まった口調は本物。

 

なかでも徳川家康に刃を向けるシーン(後述)は凌くんの清光にしかきっと出来ない場面だと思います。

加州清光に「生きるっていうことはそれだけで十分立派な戦い」などと言わせるのは重すぎる。

あの殺気、新選組を知ってないと出来ない。

 

加州清光はずるいけどやっぱり凌くんが清光でよかった。

本当にありがとうございます。大好きです。

 

太閤左文字(北乃颯希)

待ってました!!!!!!新刀剣男士!!!!!

かつてない陽キャ左文字はどうなることやらと思いましたが意外にも馴染んでいて、何でも楽しまなきゃ!という姿勢はこのご時世には居てくれてありがとうという感じです。

何より今作では一番太閤殿下の記憶を持っていて、藤四郎兄弟を導くキーパーソンでもありました。

初登場なのに大活躍。颯希くんやっぱすごいな。

彼のスター性とオーラは唯一無二のもので、太閤左文字はやっぱり太閤殿下への敬愛が今もある関西の子に、特に大阪の子にやってほしいと思っていたのでそれもとても嬉しかったです。

(※本当に大阪をはじめとする関西圏ではいまも太閤殿下はとても慕われています、いろんなところにその功績をたたえるものがあったりもするので)

突然歴史を説明するためにミュージカル風の「太閤左文字劇場」が開幕したり(どっちかというと見た目は新喜劇みたいな感じですが)、秀頼に秀吉のことを伝えたりと何かと重要な役割を担っていて、今回颯希くんがキャスティングされたことも含めて完璧でした。

まだ実装から日が浅い中でこれだけのキャラクターを作り上げてきたのがやっぱり凄かった。

 

歴史上人物では秀頼のイケメンぶりと爽やかさにはつい涙が。

歴史ではあまりポジティブな描かれ方をしない秀頼ですが、今作を見るとその認識もひっくり返ります。

 

阿吽の異形コンビは意外に話し方がかわいらしく、おのれ官兵衛!!!!!!!!!と思うと同時に官兵衛マジ凄いなんでも調教できるの……(ドン引き)みたいなテンションにもなりました。

 

そして何より徳川家康に衝撃。

私の家系が外様大名に仕えていた藩士らしいという話を含めてルーツ的なことから家康のことはどうしても好きになれずにいたんですが、今回ばかりはあまりにもかっこよくて、まさに兵とはこのことという最大の賛辞を贈りたくなりました。

今回の家康は「脱糞するほどの死の瀬戸際に立たされてから死にたい」というわがままをいうじいさんなんですが、それに答えたのが清光の剣だった、という……。

そのシーンで清光は「あんたは狸親父と呼ばれても生きててくれなきゃ困る」「あんたが江戸時代をつくったことで俺は沖田くんに出会えた」(意訳)というような話をして、ボロボロな姿で家康に刃を向けるのがもう、本当に、しんどくて。

それに対して家康も「たいした小童」「そこまで言わしめる沖田総司という男には会ってみたい」とまで。

最高の命のやりとりが見られました。アレは凄まじかった。

 

ステアラのことに全然触れてなかったので今更ですが、客席が狭いとか回ることに関してはそれほど気になりませんでした。

場所によっては前の人の頭が邪魔になったり、人によっては回転そのものというより回転するときに双眼鏡やスクリーンを見ていると酔ってしまうかもしれないとか、あとは振動が伝わりやすい構造なのでそれで具合が悪くなることはあるかもしれないな、という程度です。

 

新橋からはバスで30分、ゆりかもめもあるので、アクセスは割となんとかなります。

終演後はたくさんタクシーも待っていました。

 

以上、また来週も観劇します。

だって清光が「また会いに来てね」なんてパンフに書くものだから……。

 

ではまた。

 

 

 円盤情報(現在予約受付中)

私はTaSで予約しましたが念のため。

 

 

 

 

 

 

 追記

夏の陣の出陣メンバー予想について。

現時点で発表されているメンバーに加えて、今作で声とシルエットだけ登場した真田の十文字槍と泛塵くんはおそらく来ます。

また、信繁が死んでしまったことにより、十文字槍が真田信繁に成り代わることも示唆されていました。

また気づき次第追記いたします。

では。