Stellar Interlude

The show must go on!

【舞台】RE:VOLVER【レポ】

スタミュミュ」などで存じ上げた吉岡光太郎さんの舞台「RE:VOLVER」を観劇して参りました。今回はオリジナル作品。

今日が初日です。

ネタバレはなるべく避けますが、万が一のことがあるのでネタバレ注意とさせていただきます。

舞台「RE:VOLVER」についてはこちら公式HPでご確認ください。

概要は前述のHPでご確認いただくということで、早速感想です。

 

まず全体の雰囲気はハードボイルドで男らしく、重いロックのサウンドが似合う未来的でありながらちょっとしたレトロ感もある、たとえば九龍城のような退廃的で雑多な場所というと的確かもしれません。

演出面では現代風スチームパンク的なCGやスモーク、照明が凝っていて、機材をフル活用しているという印象。そうしたハイテクな部分があるからこそ生身の人間が汗を流して演じるアクションシーン・殺陣、叫びや涙の部分が一層強調されて、退廃的な場所での出来事でも華やかさがありました。

休憩なしで2時間半、ぶっ通しでやる意味は見たら必ずわかります。目まぐるしい場面展開とそれを支える素早いセットチェンジ、ライティングやスクリーンの切り替えも見所。

思い出や青春といったありがちともいえるテーマをこの重い世界観に持ち込んだことでフレッシュさとシリアスのバランスがちょうどよく、広い世代に楽しめる作品になっていたと思います。

ストーリーは進撃の巨人BANANA FISHシン・ゴジラエヴァンゲリヲンスタミュミュでいうならCaribbean Grooveの要素を含んでいましたが、そういった「どこかで見たかも」というところ超えてくるラストや一人一人のドラマは一度見ただけではまだまだ理解できないところもあったので、叶うならばもう一度じっくりストーリーを味わいたい。

演者一人一人のポテンシャルの高さが際立っていて、アンサンブルもフル稼働、殺陣の相手だけでなく、キレッキレのハイレベルなダンスを披露し、ただ場面を盛り上げるだけでなく彼ら自身にも魂が宿っているのを感じさせる、単なるモブではない活躍は必見です。

役付の演者さんたちも錚々たるメンツで、このメンバーが一堂に会してしかも互いに戦う!というだけでも見所、いやむしろ絶対に今見るべき作品です。

例えばですが、多分圭登くんと植田くんが殴り合う作品は今後ないんじゃないかとすら思います。

初日の緊張感はもちろんですが、見ている側もエネルギーを使う作品です。

とはいえ叫ぶシーンなどでは明日以降大丈夫かな?というくらいのパワーだったので、喉などはちょっとだけ心配してます。余計なお節介かもしれないですが、それくらい全力を感じました。

アクションシーンが素晴らしかったことはすでに述べましたが、ストーリーの都合上ちょっと冗長に感じる場面もあったのは惜しいです。ですが、とにかくレベルが高く役者さんたちの限界に挑んだということなので、瞬き厳禁です。

また、過去と現在が交互に演じられるところはわかりにくさもありましたが、演出のみならず服装や口調で切り替えるなど、演技でそのわかりにくさが補われていたのでよかったと思います。

特にOP映像で演者と役名が一致するような配慮があり、オリジナル作品ならではの一工夫かもしれません。これが映画のOPのようで、世界観に引き込まれます。

ミュージカルに関わってきた作者らしく、歌唱シーンも挟んでいたのは意外性があっていい意味で裏切られたというところ。そこで親しく酒を酌み交わした仲間と後に争うことになるため、その複線とも言えますが、その場では話に軽妙さを加えるいい采配でした。

重ね重ねになりますが、スピード感あふれる、若者の群像劇にふさわしい叫びや涙、演劇的なセリフ回しの応酬は力強くもフレッシュでした。何より、この豪華なキャストを揃えて本気のアクションに挑んだ作品ということで、今後も語り継がれるような記念碑的な価値があるようにも思います。

 

最後に。カーテンコール、挨拶の時。難しい話だったかもしれない、と思っていたところすかさず植田くんが「難解な話だったと思いますが~」と物語の重い空気の中、いつもの調子でフォロー。やっぱり好きだなぁという。関西ノリの楽しくて上手いいつものしゃべりを思い出してちょっと安心。やっぱり初日は見る方もドキドキしますから。

 

見て絶対に損はないです、面白かったのはもちろん、歴史の現場という意味で絶対に今、見ておくべき作品です。

 

最終日までどなたも怪我などなく、無事駆け抜けられますようお祈りしております。