【感想】極上文學 第16弾「ジキルとハイド」【1/23・昼】
第14弾「桜の森の満開の下」でハマった極上文學。
流れてしまった第15弾。
待ちに待った第16弾を1/23 マチネで観劇して参りました。
ネタバレ含む感想ですので何卒ご了承下さい。
おしらせ
当日券あります
各種プレイガイド利用可
特典付きシートあり、アニメイト通販のみ割安の遠目シート等もあるそうです
各種リンク集
公式HP
公式Twitter
有料配信
オフィシャルレポート
以下ネタバレ含みますので是非ご観劇後にご覧下さい。
Twitterまとめ
極上文學「ジキルとハイド」、来ました。
— 江戸川 櫻 (@edgarsakura) 2022年1月23日
撮影スポットも日付と出演者に合わせて更新して下さってるようで嬉しいです。#極上文學 pic.twitter.com/WtAJcCyKrE
今回も面白かったです、極上文學はカンパニーの空気感が大好き。 https://t.co/x5Kq7X4r1I
— 江戸川 櫻 (@edgarsakura) 2022年1月23日
主要キャスト&配役
ジキル・・・樋口裕太
ハイド・・・梅津瑞樹
アターソン・・・塩田康平
後継者・・・後藤恭路*1
※敬称略
感想
ゴシック小説は元々好きだったのですが、「ジキルとハイド」は何故か読んだことがなかったのでこのタイミングで読んでから行きました。
極上文學で海外文学というのは初めてで、海外文学だと翻訳によって言い回しが異なってきたり翻訳者のセンスや時代・文化背景みたいなものに左右される要素も多かったりするところが難しいんじゃないかとも思いましたが、視覚的な要素が加わるぶん、難しい原作であればあるほど本で読むよりもずっと聞きやすくて、しっくり来た部分もあるのかもしれないと思いました。
メインキャスト、具現師(いわゆるアンサンブル)の全員を他の舞台などでよく知った状態だったのもあって、落ち着いてキャストひとりひとりを見ることが出来たのも楽しかったです。
全体の物語としてはおおむね原作通りですが、原作にあるジキルの手紙や手記という要素を生かし、ストーリーテラーというかジキルとハイドの物語を解釈する人物という立場でジキルの財産を受け継ぐこととなった小説家を目指している教師・後継者が登場するというのも面白かったです。
アターソンではどうしても友人のことになると(ある種被害者であるのもあって)客観的な要素が欠けてしまうので、そこにごく善良な一般市民である教師による第三者視点が加わったおかげで観客がおいていかれずに、うまく橋渡しをしていたなという印象です。
後継者役の後藤くんはサンリオ男子のときから一生懸命で印象に残る役者さんだなとは思っていたのですが、今回も全力で、クセのあるキャラクターの中では一番普通の人、ごく一般人という難しい役どころながら一生懸命にやっていて、重要なセリフが多いなかでもその一つ一つに熱がこもっていて、しっかりと重みを持っていたのが良かったです。おそらく初日?とあってちょっと緊張している感じはしましたが、「突然非日常に晒された一般人」という役どころではその自然な緊張感も味になっていたと思うので、緊張と慣れのギリギリのところで踏みとどまって欲しいなとも思ったりしました。
アターソンの塩田くんは真面目で堅実なイメージがあるので弁護士というキャラクターにぴったりで、スタイルもいいからスーツが本当によく似合う。ジャケットについているケープは真面目なイメージの中に遊び心を感じられて本当に好きです。アターソンは物語と後継者の居る「現在」の地点を行ったり来たりするところもあって結構難しいキャラクターだとも思いましたが、塩田くんは一貫性のあるキャラクターがよく似合う人で、苦悩しながらも己の責務を全うするブレないところにぴったりの安定感があって良かったです。
樋口くんは上品で爽やかなイメージがあるので善人たるジキル博士が似合うだろうなと思っていたのですが、そこは極上文學。一筋縄ではいきません。
しっかりジキルの本性として荒っぽいこともしていて、普段良い子だと思っている子が悪いことしてるのがゾクゾクするというかいけないものを見てしまっている、、と感覚に晒されてドキドキします。性癖の問題かもしれませんが。
梅津くんには何が何でも狂人を演じて欲しい!!!!!というゆがんだ望みがあったのですが、しっかり叶いました。
彼のファンみたいなものですがやっぱり狂気が似合う気がするので。なんとなく。
しっかり杖もって暴れてヒャッハーしてくれて良かったです。
梅津くんは極端なキャラクターも似合いますが、繊細な演技も素晴らしいので、ジキルの本性にハイドという純粋で未熟な悪が呑まれていくところなど、彼のイメージも相まってぞっとするような美しさ、悲しさがありました。
そしてふたりともとにかく声が良い。
ハイドと2人で同じセリフを読んだり、ジキルのセリフをハイドが奪ったりするなど、美しいふたりがどんどんハイドに支配されて壊れていく、ジキルに支配されて自我を失っていく、理性が本性に、欲望に、欲望であるはずのものが理性的で冷酷なものに呑まれていくところの描写が極上文學の真骨頂とも呼べる演出で最高でした。
こればっかりは見て貰わないと伝わらないので何卒。
直接の内容とは少し逸れるところではありますが、極上文學はいつもセットから何から何までセンスが最高で大好きです。
今回の作品によく合う豪華で退廃的なゴシック要素の強い衣装、怪しげで耽美なセット、おしゃれで遊び心のある特典グッズやパンフレットのデザインなどなど、他の作品ではあまりないようなテイストの統一感。とにかくオシャレ。
パンフレットのコメントもものすごく良かったので絶対買って下さい。本当に良かったです。泣きそうになるやつです。
この先も極上文學シリーズが続くことを心より楽しみに、心より願っています。
海外文学が続くなら今度はシャーロックホームズあたりが見てみたいなぁとか、日本文学ならまた泉鏡花が見たいな、とか色々ありますが、次が楽しみです。
*1:小説家志望の学校教師。ある日突然ジキルの遺産を受け継ぐことになり動揺する。アターソンが残した手記を読み真実を知ることとなる…【引用元】 https://twitter.com/MAG_play/status/1476719860105490432?s=20