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【感想】舞台『刀剣乱舞』維伝 〜朧の志士たち〜 東京凱旋公演【1/7・夜】

刀ステ東京凱旋、私にとっては2回目かつ見納めとして観劇して参りました。

 

前回の感想はこちら 

edgarsakura.hateblo.jp

 

ですが更にネタバレとか考察っぽいものとか色々マシマシですのでご了承の上ご覧ください。

 

 

 Twitterまとめ

 

感想・レポ

前回より落ち着いて見られた分、えぐられていく感じが切なかったんですがでもやっぱり刀ステめちゃくちゃ面白い。

  • 号泣はしないけどじわじわきいてくる
  • 土方組、圧倒的に上手くなってて安心した
  • もはや親の気持ち
  • ミュよりもっと若手がやってるからか、がむしゃらさとかいい意味での青さが土方組のキャラに合っててとてもいい
  • 鶴さんラストちょい噛んでたけど全部ウケるからつよい。

日替わり?なのか時間遡行軍の残骸抱えてるシーンで肥前
(※台詞ちょっと曖昧ですごめんなさい)

鶴「いまから2つ質問がありまーす」
肥「答えねえよ!」
鶴(時間遡行軍になりきって)
「ボクも主が欲しいんだけどー、犬と猫とボクのどれがいちばんかわいい?」
肥「知らねえよ!」
鶴「じゃあー肥前の(君の?)主は誰なのー?」
肥「俺は政府権限で顕現してるんだよ!!」
鶴「権限だけに顕現って……ダジャレ?」
肥「そんなんじゃねえよ!!」(ニュアンス)
鶴「ツッコミもキレッキレだ!刀だけにな!」
肥「おい!!!!いい加減にしろ!!!!」
(ここで南海先生ツボって後ろのセットに伏せて笑いまくってる)
(鶴丸したり顔)
(客席の拍手がどんどん大きくなる)
(なんとかクールダウンして先生が日替わり終わりの台詞)

 

最期はスタオベも出来て、大満足としか言えない時間でした。刀ステほんと面白い。

むっちゃんが最後に捌けるときのやりきった感でいっぱいの笑顔がもう大好きです。

 

考察、のような何か

刀ステ本丸におけるここまでの状況

時間軸が一本じゃないと思われるので、時系列に関してはまだ検討するべきだとは思いますが、事実とそれに関わる推論を。

 

第一部(虚伝〜慈伝まで)で起きていた事象として

  • 歴史修正主義者に勝てるまで出陣を続けた場合、同じ世界で同じ戦いを何度でもやり直すことになる。これはゲームのセーブポイントに似てる話で、セーブポイントより前に戻って戦い続けることができればまだしも、セーブポイントを超えてしまってからではやり直しが出来ず、歴史が繰り返されてしまうほどますます悪化していって、結果的にやり直し出来ないほどループの周期が短くなったり、敵が強くなり続けたりと「連環」から脱出することが出来なくなってしまう、という状況があったのではないか。
    明言されているところでは「審神者と同じ立場」にいるらしい三日月宗近が巻き込まれている。

  • 「燃ゆる本能寺」初演と再演は同じものではなく、台詞などから「初演」がループが発生する前の世界(つまりゲームなどでみられるごくノーマルな時間遡行軍との戦い)、再演が三日月宗近の周囲でループが発生し始めた世界ではないか?と言われている

今回提示されたこととして

  • 「放棄された世界」は「正史」から分岐したものであり、文久土佐藩のような「放棄された世界」を閉ざし、正史からの分岐を阻止したからと行ってその世界そのものが消滅するわけではないため、放っておくと「正史」への影響を及ぼす場合がある。そのため「放棄された世界」は「正史」から隔離し、「正史」に影響を及ぼさないようにする必要がある。そしてその任務は刀剣男士による「歴史を守る」ことの一環である。
    →これに関してはFate世界(FGO)における「異聞帯」の考えに近いのではないか?
    正史とは異なるが、人の営みが続き「if」として成立している。しかし脆い世界あるいは何らかの形で「支配者」が存在し、その意のままに操られている世界。
    この作品で言うなら、本丸の仲間を救いたいと願った山姥切国広の想いが生んだ「山姥切オルタ」。この刀ステ第二章におけるラスボスは山姥切オルタ?

  • 現在の近侍はへし切長谷部である。慈伝で山姥切国広が修行に出ているため、これ自体はおかしなことではない。ただ、そう観客に錯覚させているだけで、本当は悲伝までで三日月宗近(あるいは時間遡行軍?)に敗北して山姥切国広が折れた世界の続きであることも考えられる。

  • 今までの出陣の結果、また三日月宗近を引き金とする悲伝までの出来事から小烏丸いわく「政府はこの本丸を警戒している」「本丸ごと解体されてもおかしくはなかった」鶴丸いわく「こんな特命調査とも言えない任務をやらせるには都合のいい本丸」「解体されないのはこの本丸にまだ利用価値があるからだ」。
    →今までにも指摘されてきたがやはりステ本丸はいびつで、異常を抱えている、小烏丸の三日月宗近は『瑕疵』とみなされて閉じ込められてしまった」

  • パンフレットネタバレ。ステ本丸に江雪左文字・骨喰藤四郎・鶴丸は二度顕現している。キャス変があったことと二振り設定は関係あるかわかりませんが(これは大人の事情、お仕事が被ったなどの問題もあるのでおそらく後付)、本丸においても何らかの事情があったことは想像に難くない。

  • この「維伝」劇中でシルエットで登場する、吉田東洋と戦い「敗北した刀剣男士」たち、すなわち折れたことがある刀剣男士は山姥切国広・骨喰藤四郎・日本号陸奥守吉行・大倶利伽羅・宗三左文字

  • 維伝に登場する山姥切国広(山姥切オルタ)は「物語をおくれ」とエフェクトかかりまくった声でしゃべる。時間遡行軍の格好をして、密かにむっちゃんや龍馬に手を貸した。が、最後のほうになると近侍だった山姥切国広の声(=すなわち荒牧慶彦くんの声)がする。
    先にも書いたがこのオルタは近侍だった山姥切国広と同一個体で、折れてしまった仲間を救うため、あるいは自分が折れてしまった歴史を変えようとした結果、自らが時間遡行軍となって歴史改変をする立場に回ってしまった姿にほかならない

  • 歴史上の人物(のように見える何者か)は刀剣男士の存在を知っていて、戦ったことがある、そして一度目に訪れた刀剣男士を折ったことがある。(陸奥守吉行)

  • ミュにおいて言及された「協力者」の存在が刀ステにおいても登場するのかどうかも気になるところ

台詞の中のキーワード

「刀の延長線上に人がいる」

「歴史を守るのは刀の本能」

「僕は刀であることに自覚的ってだけさ」 (南海先生)

「わしは刀ぜよ!!「坂本龍馬の刀じゃ!!」(むっちゃん)

「歴史には諸説ある」

 

あくまで想像ですが。

  • 刀にまつわる「物語」によって、「歴史上の人物」が存在できている、つまり歴史が事実として認められ、後世に伝わっている。すなわち「もの」がなければ、その「歴史上の人物」の存在は知られることがない場合もある。
    =後世においてはその人物が存在しなかったことと同じになってしまう

  • 一方で「もの」に込められた逸話が事実と異なっていたとしても、それは「物語」として愛され、「もの」(=現存しない刀剣)の存在は人々の願いや想いとともに後世まで伝わる。
    =物語にしか出てこない「今剣」、様々ないわれのある「髭切」など(刀ミュ「つはもの」参照)などの存在、また沖田総司の「加州清光」や土方歳三の「堀川国広

  • 物語があるほど「もの」(=刀剣)は強い存在になる。例えば「坂本龍馬の刀・陸奥守吉行」や「長尾顕長が打たせた傑作・山姥切国広」などと言われることで「知名度補正」(Fateと同じ理論)がかかるのではないか
    →仲間を救う強さを得るために「もっと物語をおくれ」という山姥切オルタの行動に説明がつく。
    また極のための修行も自分の「物語」を知ることと同じで、ステ本丸の審神者は小烏丸によると「極のための修行では足りないらしい」。
    つまりいま励起している刀たちを強くするために、政府に利用されていると見せかけて、自分たちが特命調査を利用して、物語を与えることで刀たちをより強くしようとしているということ。

  • 刀の延長線上に人がいる、というのは以上を的確に言い表した言葉
    刀があって、そこから人物が浮かび上がってくる。人の営み、すなわち歴史の姿が浮かび上がってくる。
    (表向きは)だいたいそんな意味?

  • 刀剣男士は刀から励起されていると明言されてますが、Fateにおけるオルタの存在、艦これにおける「艦娘」と「深海棲艦」の存在は紙一重だという設定を鑑みれば、刀剣男士と時間遡行軍が紙一重であるというのもあり得る。敗北した刀剣男士が時間遡行軍となって自分が折れる前に戻ろうとしたり、主を助けようとしたりすることもあるのではないか?

  • 「諸説」は人の願いであり、これが「放棄された世界」(というか「放棄するしかなくなってしまった世界」)を生み出すきっかけになる。今回はその引き金となったのが「岡田以蔵武市瑞山を救えなかった坂本龍馬の願い」
    (坂本龍馬は訃報の手紙を受け取った時点では「戻ってやり直すことは出来ない」と自覚していたが、やり直せたら…という思いが芽生えたことで利用されたとみられる)

話はそれますが、私の高校時代の日本史の恩師は「歴史に『もしも』は無いけど」といつも念押ししてから、「諸説」をいかにも見てきたかのように語ってくれました。

本能寺の考察だけで一時間授業が終わったことも。

ただ、今こうして考えていると、それはかなり恐ろしい話をしていたんだなと思ったり。
悲しいことに人間以上に歴史に干渉する力を持つ刀剣男士が「もしも」を願ってしまうようになると、それは歴史修正主義者と変わらない存在に成り果ててしまう危険があるのだと。

ドラえもんにおける「タイムパトロール」の考え方もかなりいいヒントになるのではないかと思ってます。

 

またメディア学の視点でいうと「道具(メディア)は人間を拡張する」という考えがあり、例えば刀は「人間の破壊する能力・攻撃する能力」を拡張する道具といえます。

だから普通はこの考えから「刀の延長線上に人がいる」のではなくその反対だろうと思われてしまったり。

ただ、ここでいう「刀」は主体(前述の考えで出てくる「人間」と同じ立場)であり、刀という道具を拡張する存在、すなわちメディアとして人間をみなし、かかわっているという考えなのではないでしょうか。

鶴丸と小烏丸の「密命」

今回太刀2人が任された主からの密命は明言されていませんでしたがやはり「すでに改変された世界(文久土佐藩)に出陣することで、連環から三日月宗近(あるいは別の誰か)を救い出すための手がかりを探せ」というのが妥当かと。

 

どんぐりとお守り

慈伝までに登場したどんぐりとお守りはやっぱり重要になってくると思います。

修行に際して渡されるどんぐりは慈伝の五虎退いわく「どこにいてもこの本丸に戻ってこられるように、と三日月宗近に託されたもの」。

いうなれば本丸と刀剣男士を結ぶ「アリアドネの糸」のようなアイテムとして登場しているのではないでしょうか。

小夜左文字はちゃんとこれを持った上で修行に行ってます。

山姥切国広も渡されていたような気がしますが……違う時間軸だったらわからないです。

少なくとも慈伝で修行に出た山姥切国広は持っていたかと。

 

お守りは骨喰がジョ伝?あたりで持たされていたもの。

お守りは一度だけなら折れるのを回避できるので、ループする世界に対して逆らえるのではないかという考えがあったのか……。

なんらかのきっかけづくりに「骨喰が折れる」ということが利用された可能性はあります。

が、まあきっと改善しなくてこうなってるんでしょうね……。

 

三日月宗近審神者

初期から三日月宗近審神者と結託していて、審神者三日月宗近の間で密命が下されていたんじゃないでしょうか。

例えば「山姥切オルタが発生する世界」を知った審神者がそれを阻止するため、三日月宗近とともに手を打っているのか。あるいは。

 

今回の三日月演出の中で鶴丸と小烏丸が会話しますが鶴丸は「寂しいんだよ」と。

だから連環に囚われた誰か(鶴丸の中ではおそらく「三日月」)を助けようとする意思が明確で、審神者の密命を任されているのではないかと。

 

そしてミュで言及された「三日月宗近という機能」の考え方。

一応別の本丸の話ですが、大演練もやったりしますし、アニメなど含めても、下敷きとなる設定はすべてのメディアミックスにおいてある程度共通しているという風に見ています。

審神者との間に特別な信頼関係のある三日月宗近が「機能」であるなら、審神者との関係が特殊なのも説明がついて、その上で道を違えた山姥切国広(オルタ)を正史側に軌道修正させようと動くのも納得できるんですよね。

歴史を守るのが刀の本能だというなら特に……。

 

 

謎多き刀ステ、刀剣乱舞の話をすると本当にきりがないのでちょっとやめときます。

結構ごちゃごちゃしててツッコミどころ満載ですし私もステ見返さないとわかりません。

とりあえず試験もあるので一旦筆をおきます。では。