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【感想】舞台『刀剣乱舞』維伝 〜朧の志士たち〜 東京公演【11/26・4日目夜】

⚠ネタバレあります

 

多分きょうで6公演目でした。が、凄まじかった。これは何だ。刀ステってなんだ。

 

 

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感想

今日は一般で取った見切れ席でしたが割と見えました。

何より普段なら絶対見られない角度で見られるのが面白くて、捌けるときの表情とか細かいセット転換まで大迫力。

 

慈伝で初めて現地に行って、それから半年たたないうちにもう一度この本丸のみんなに会えるのは嬉しい限りでした。

 

edgarsakura.hateblo.jp

 

 

内容としては、ゲームのイベント「文久土佐藩」をベースとした特命調査の物語。

肥前くんの入電から始まり、最後は南海先生をお迎えに行く。そこはゲームどおりで、ボス戦の曲もアレンジして使われていたような。多分。

 

今回の編成は

【第2部隊】

【調査員(政府)】

  • 肥前忠広
  • 南海太郎朝尊

でした。

 

坂本龍馬陸奥守の絡みは最初明るくて、キャライメージ通りだなと思ってみているとそれすら壮大な伏線で……という、常に何らかの意味を持つシーンが続くのが刀ステのヤバさ。

 

ちゃんと長谷部の名前を出してたり、慈伝から続く物語であることは何度も言及されています。

特に鶴丸は初演ぶりの俳優さんが戻ってきていたり、これも怪しい。

鶴丸と小烏丸は主から密命を受けて動いているというちょっとだけ特殊なポジション。

 

南海先生はやっぱり闇のわくわくさんで、とんでもない罠を仕掛けまくる。

これが楽しいのなんの。

個人的には殺陣の度にひらひらする外套みたいななんとも言えない衣装が好きです。

 

刀ミュとキャラかぶりで懸念もあった若手2人の兼さんと堀川くん。

今回の兼さん、とんでもなくかっこよかった。

 

私が一番好きなのは兼さんが追いつめられたむっちゃんを救うために銃を撃つシーン。

あれだけ「刀が銃を使うのはおかしい」というスタンスを貫いていながら、仲間の危機や戦略上を理由にためらいなく銃を握るところに彼の副長スピリッツを感じたと言うか、とにかく泣けた。

何よりかつての主である歳さんは刀に生きた男で、最期は凶弾に倒れて亡くなってるのに、それよりも「今」を守るために行動することを冷静に判断できる兼さんはやっぱり副長の気質を受け継いだ刀なんだなと。

それをサポートしつつ状況を観客に説明する役割もきっちりこなす堀川くん。本当に頑張ってるのが伝わってきて、とても良かったです。

華奢さとしなやかさもイメージ通り。同世代なのでこれからが楽しみ。

 

むっちゃんは文句なし、最高でした。

雰囲気がつい暗くなりがちな刀ステを終始爽やかに、エネルギッシュにやりきった彼には拍手喝采、スタオベしたかった。

裏でも和服を着ているらしく、あの特徴的な衣装も当然のように着こなすしアクロバットがすごい。

「慈伝」でも片鱗は見せてくれていましたが、ここまでガチの殺陣でアクロバットを使いこなすのはむっちゃんだけなのでは。

お小夜もかなり動きますが、短刀とはまた違った立ち回りになるのでそれも面白かった。

角度的にみんながセットから飛び降りるのがよく見えましたがあれ結構高い。

普通に2メートル近いセットもあるのに飛び降りる。

セットも常に動いていたり、殺陣にスピード感をつける工夫が凝らされていて、そこに適応する役者さんたちの運動神経。

 

歴史人物キャストが劇団の大御所ばかりだったのもあり、今までとは少し違った迫力がありました。

特に鶴丸、染様はこの3年間で培ったものを、ということを言っていましたが声優業もやって身につけた発声が本当に活かされていて、鶴丸の持つ二面性というか酔狂で軽妙で洒脱な掴みどころのなさを声色一つで表現する、そのオンオフにゾクッとしました。

そこで殺陣も華麗。あの美しい太刀をまるで弄ぶように振り回して、楽しそうに斬り倒す。

そして闇のわくわくさんパートで魅せるエアギター。なんでだ。ギターは長谷部だけ ※FGO

酔狂ここに極まれり。

 

肥前くんの泥臭い戦い方との対比にも見えて、本当に良かった。

肥前くんはパンフでも言及があったのですが、美しさより泥臭さに振ったということ。

それも見てわかって、見せ場も多くて、これが刀ステ第二章か……と。

 

以蔵さんと龍馬さんの関係も涙出る。

FGOとか色々と以蔵さんについて知る機会があって、その分だけ泣けることも多くて、何よりどんなに敵対しても龍馬さんへの恩義や友情を隠そうとしない真っ直ぐななつき方がわんこで泣けました。

尻尾振ってたでしょ見えたよ。かわいいよ。

 

セットにはりまや橋があったり、高知を観光に行ってほしいと思う仕掛けも所々にありました。

私もこの前の冬に行ったので一応こちらも貼っておきますね。

 

edgarsakura.hateblo.jp

 

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高知はいいですよ。

 

そうそう、あとは土佐弁。

私は周りにそっちの人がいないのでわかりませんが、イメージ通りというか雰囲気のあるオール土佐弁の会話が新鮮で、何かと面白かったです。

何度も出てくる「なんちゃあない」はいろんな地方でも似たような言い回しがありますが「大丈夫」とか「どうってことない」「なんてことない」という意味なのでその気っ風の良さが素晴らしい。

 

小烏丸は人間離れした美しさとか佇まいに磨きがかかっていて、あの「悲伝」の先に見るものがこれなのか、と。

「父」ネタは華麗にスルーされていて、鶴丸もなんだかんだふざけてはいるんですがそのふざけ方が時々ゾッとするようなところもあって。

すべてを知り尽くした「神々」の視点で人間たちを見ている、というのがこの2人には強かった気がします。

小烏丸はよく飛び降りますが本当にブレないのが人間じゃないぞ、いや人間だ……?

 

つとめて明るく振る舞うむっちゃんの気質が龍馬譲りだったり、兼さんの短気さと男気、そうした主と似たところ、主譲りな部分が対比されていたのも素敵で、以蔵さんと合うようで合わない、でも心の奥底にあるものは似通っている肥前くんという存在も際立って見えて。

肥前くんは包帯で遊ばれたりもしていましたが、なんだかんだ以蔵さんと同じで断れなかったり、やるしかないということに対しての思い切りがあったり、まさに大業物、切れ味抜群。

 

1幕から「ひたすら面白い」という衝撃が大きすぎて。

2幕の頃にはぼろぼろ泣いてるのにわけがわからない。

 

へし切長谷部の和田くんがブログで言ってましたが「クッソ面白い」は正しいと思います。

 

今までより魅せ方が変わっていたのも、殺陣の個性も際立っていて、また続編にも期待できる内容でした。

 

今言葉を尽くしても伝わるのはこれくらい。

 

言及のあった伏線など

ネタバレ要素最大。

  • 「刀の延長線上に人がいる(ある)」ことの意味
  • 鶴丸は円環に取り残された三日月宗近を救おうとしている
  • シルエットで登場する「敗北した刀剣男士」に骨喰くん、日本号、そしてまんばちゃん
  • パンフに時系列表示あり
  • 「この本丸」において骨喰藤四郎は二度顕現している(パンフから)
  •  放棄された世界の存在について
  • 「歴史を守ることは刀の本能」=歴史を守らない刀は「刀」ではないのか?(陸奥守のモノローグ)
  • 「○○の物語」=刀剣男士の顕現を支える逸話について
  • 改変された世界における刀剣男士の存在、敵側に知られているという事実
  • 恒例のタイトル回収「朧の志士たち」

 

はっきり言及があり、過去作とも関連が見られるのはこのあたりでしょうか。

ここに来てもなお回収されない伏線とむしろ延長された伏線、そんな感じで情報量が多すぎる。

 

キャスト関係

偶然にも今日、「近侍」として言及されていたへし切長谷部を演じる和田雅成くんや同田貫の武子直輝くん、もうひとりの陸奥守、田村心くんにミュの長曽祢虎徹(伊万里有くん)がいらしていたようで。

 

 

 

 

 

こんな感じで現本丸、そしてもう一つの本丸どちらの刀剣男士にも影響を与えるようなものだということが見て取れると言うか、ひしひしと感じてます。

 

 

 

さいごに

私はまた凱旋を見に行けるのですが、この6公演目でこんなにも凄まじいものが見られると年明けどうなるんだろうと、恐ろしいような楽しみなような、いろいろな感情でくらくらします。

 

もちろん円盤は買います。会場予約だけど。

 

 

 

リスキーな部分も多いと思うので、本当に誰一人怪我のないよう、事故のないよう、最後まで最高の戦いを出来るよう願っています。

 

どの刀剣男士も、歴史上の人物も、もっともっと尊敬できて大好きになりました。

こんなにも清々しく爽やかに泣ける、それなのに重みがある。夜明けであり洗濯ってこういうこと。

今の日本は誇れませんが、彼らの望んだものは少しぐらい叶えられたのでしょうか。さて。

 

 

では。また。